スタッフブログ

カテゴリーアーカイブ

2022.11.13

【蔵元訪問レポートvol.2】宮里酒造に行ってきました!

コロナ禍の移動制限がようやく解除され、
いよいよ大好きな沖縄に行ける!
と喜んでいる方も多いと思います。

沖縄といえばかつての「琉球王国」。
歴史と文化に育まれた美味しいお料理、
そして泡盛が欠かせません。

泡盛は約600年前、
南洋貿易によって蒸留酒の製法が沖縄に伝わり、
以来沖縄の人々に愛されきた日本最古の蒸留酒です。

九州へ広まった焼酎技術は、
琉球王国から奄美大島を経て鹿児島へ上陸した後、
宮崎県や熊本県へ伝わっていったといわれています。
首里城付近で王室の管理の下醸造された泡盛の歴史は
「ロイヤルワラント(王室御用達)」から始まり
現在では本島から離島まで46の泡盛酒造所があります。
味もまろやかなものや軽快なもの、
度数60度の強烈なものまで様々です。

今回は、伊勢五本店イチ押しの蔵元であり
豊かな香りとまろみのある味わいが高く評価される
「春雨(はるさめ)」を造る宮里酒造を
先日訪問してきたときの様子をご紹介します!

那覇空港からほど近く、大型ショッピングセンターと
閑静な住宅に囲まれた街
小禄(おろく)にひっそりと蔵が建っています。
昔ながらの琉球赤瓦の母屋ですが、
近隣の高層マンションやビルに囲まれ初めての方は必ず道に迷います(笑)


▲創業は1946年。沖縄らしい赤瓦の屋根。
春雨を語るときに欠かせないエピソードが2つあります。
1975年の沖縄海洋博覧会開催にあたり、
全蔵元が参加した選考会(ブラインドテイスティング)で
「皇室献上酒」に選ばれたこと。

そして2000年のG7沖縄サミットでも
やはりブラインドテイスティングで首席となり、
「晩餐会の乾杯酒」に選ばれたことです。
その味わいは洗練され、
泡盛の枠を超え世界の蒸留酒ファンに通じる美味しさを
兼ね備えています。

・目指す酒質は、
「古くも 香りたかく 強くも まろやかに
からくも 甘い酒 春雨」


この詩の通り、春雨の真骨頂は「古酒(くーす)」です!
20年古酒や10年古酒はもちろん、
3年や7年でも他の蔵元を圧倒するクオリティーに達しています。
造りのこだわり、美味しさの秘密について
小さな蔵元が圧倒的な美味しさを醸す秘密は
綿密な「酒質設計」「データ管理」に基づく
「麹造り」にあります。
“麹造りのレジェンド”とも呼ばれる宮里社長(兼杜氏)。
培養時間を長くとり、
独自の方法でしっかりと麹菌を生やした
「老(ひ)ね麹」に辿り着きました。

▲泡盛は黒麹菌を使用するのが特徴。黒麹は名前の通り、こんなに真っ黒!
細かな内容は書くことは出来ませんが

以前麹造りを見学した
国分酒造の安田杜氏(平成29年度現代の名工)が
次のように語ってくれました。
「とにかく凄い麹を造っているよ。
設備は大手に敵わないが、
それをすべてカバーして余るほどの麹だ」

・新しい取り組み「樽貯蔵」
まだ試作品の段階ですが、2種類の樽貯蔵を始めていました。


近々、伊勢五本店から
皆さんにご紹介できると思います。
詳細はその時のお楽しみで!
宮里酒造は、
几帳面な宮里社長をはじめ
4人で醸す小さな蒸留所ですが、
蔵内にはいつも張り詰めた緊張感に溢れています。
ジャンルに関わりなく、
良い酒を醸す蔵で共通する空気感、
蔵人の一体感を感じました。
最後に、宮里社長とご一緒した
恩納村の産直市場 おんなの駅の南国フルーツたっぷりのかき氷もご紹介!


ドラゴンフルーツやマンゴーが
ごろごろトッピングされた贅沢スイーツ。沖縄へ行かれる際は皆さんも
是非立ち寄ってみてください♪

2022.11.03

【蔵元訪問レポートvol.1】寒菊銘醸に行ってきました!

先日ご案内させていただいた、
今週末11/5(土)に開催される
中目黒店限定【寒菊 出張蔵開き】について
早速沢山の反響をいただいており誠にありがとうございます!
(→詳細はこちらの記事をご覧ください。)

皆さまのご参加を楽しみにお待ちしております♪


そんな、近年人気急上昇中の
最近気になる銘柄「寒菊(かんきく)」の醸造元である
寒菊銘醸様に先日お伺いし、
蔵元 佐瀬社長ご夫妻へ話をお聞きしてきました!



千葉県の九十九里エリア、
山武(さんむ)市に位置する寒菊銘醸は、東京から車で約1時間半。
成田空港近郊に位置し、
上空を飛行機が通過する様子も眺めることができます。



九十九里というと、マリンレジャーや海水浴が盛んな
“九十九里浜”をイメージしがちですが、
蔵の周りは「ふさこがね」や「こしひかり」が栽培されている
田園風景が広がっています。

おしゃれなロゴのイメージですが、
昔ながらの看板がまだ健在なところも地酒らしさを感じます。



創業明治16年(1883年)。
今年で139年目を迎えた寒菊銘醸。

今回ご案内頂いた佐瀬社長が蔵に戻った頃は
「普通酒」や「純米」「本醸造」などの地元消費の定番酒がメインでした。
ご本人も「言い方は悪いが経済酒(低価格の日常酒)を造っていても未来はなかった」
と仰るほど厳しい状況だったそうです。


さらに季節雇用で岩手からきていた杜氏も
年齢を理由に来ないという状況の中、
当時若干26歳という年齢で
元航空機の整備士という異色の経歴を持つ柳下さんが
社員杜氏として製造を担っていくことになったそうです。


▲柳下杜氏

部品が一つでもないと飛ばせない飛行機のように、
造りにおいて抱えていた問題を一つ一つ丁寧に解決していった杜氏は、
様々な人に教わり支えられながらどんどん酒質を上げていきました。


洗米機1つ買うお金もなかったと
当時を回顧して笑う佐瀬社長ご夫妻ですが
冷蔵設備、麹室、放冷器…酒質を上げていく為、
そしてなにより6人という少ない人数で
四季醸造をこなしていく為に設備面でも進化をしています。

ほとんどの設備は最新のものを導入していますが
建物自体は古い梁を残しつつ趣のある雰囲気で、
守るべき伝統と変わるべき部分の新しさが混在する蔵という印象でした。




このような技術向上と
設備の導入による中身の進化はもちろんのこと、
今の寒菊のラベルって、
ものすごくおしゃれだと思いませんか??



このデザインは、
なんと飲み会の席という素敵なご縁から
デザイナーさんがついて刷新していくことになります。

最初は昔ながらのラベルど真ん中に
漢字で「寒!菊!」と力強く入っており
それを絵の右下にずらしただけでも違和感を感じたそうです。
酒質やイメージ・コンセプトなど
ヒアリングや思考を重ねて今のデザインに
そしてそれも毎年のように少しずつ変えていっているものもあるそうです!
皆さんは気が付かれましたか?


ユニフォームはTシャツで
佐瀬社長ご夫妻も蔵人の方たちも若く活気のある印象。
最年少の女性社員さんは21才だそう!(入社時は19才)
エネルギッシュに次々と新しくアイデアを積み重ね、
手に取りやすく飲みよいお酒を追求する姿勢がお酒にも表れています。


▲今回話を伺った、佐瀬建一社長と奥様の佐瀬雅代さん


蔵を案内していただきながら
日本酒の造りについても沢山お聞きしたので
その中から気になるお酒の味わいについて少しご紹介!

・目指す酒質を教えてください
「米の旨みを出しすぎずクリアな味わいに仕上げ
食事に寄り添うよう心掛けています。」

・設備面のこだわりなどはありますか?
「ビール製造の技術を活かし
タンクから瓶詰する際のポンプなどに工夫をして、
出来るだけお酒を空気に触れさせないようにしています。」


最新設備を導入し蔵独自の策を凝らすことと、
こだわりの酵母を使いこなし、
麹造りに力を入れる杜氏や蔵人の方の技術力。
また、今までの地元消費の定番酒から、
全国のエンドユーザーへ向けてのブランディングを行い
進化し続けてきたことが
“寒菊”が日本酒ファンから愛される秘訣のようです。


話をお聞きしていくと、
佐瀬社長は温和な雰囲気を持ちつつ、
今までの造りの酒をやめて
杜氏としての経験が無かった柳下杜氏を抜擢するなど
決断力のある方だと感じました。

寒菊銘醸の2022年日本酒生産量は、
2020年に比べると3倍の1500石へと増加したそう。
(※約9万リットルから27万リットル)
勢いが止まらない、今後が益々期待の蔵元です!!



文頭でご紹介した、
今週末の中目黒店イベントでは
飲み比べの有料試飲をご用意し、
佐瀬雅代さんと、蔵人の鈴木さんに
お越しいただく予定です♪

日程などの関係でイベントに参加できなくても、
寒菊をまだ試したことがない方や
ちょっと気になったなと思った方がいれば、
この機会にぜひ手に取ってみてください!


オンラインショップ寒菊ご購入ページはこちら

カレンダー

«4月»
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

フィード

ブログ内検索